電磁誘導下経鼻栄養チューブ留置法を用いた幽門後栄養の臨床評価

本院集中治療部で経管栄養チューブの幽門後留置を受けられた患者さん・ご家族の皆様へ
 ~集中治療部での加療時(2020年5月1日から2022年5月31日)に行った検査データの医学研究への使用のお願い~ 


【研究課題名】


電磁誘導下経鼻栄養チューブ留置法を用いた幽門後栄養の臨床評価

【研究の対象】


この研究は以下の方を研究対象としています。
2020年5月~2022年5月に当院集中治療部で経管栄養チューブの幽門後留置を行われた方

【研究の目的・方法について】


集中治療部で加療が必要な重症患者の多くは消化管の蠕動(ぜんどう)運動が低下しており、胃からの栄養投与で十分な栄養吸収が期待できない場合があります。その際は、胃を通り越して小腸に直接栄養を供給する経管栄養チューブの幽門後留置という方法が必要となることがあります。経管栄養チューブの盲目的な幽門後留置は成功率が低いため、チューブを直接見ることができ適切な位置に留置できる可能性が高いX線透視法または内視鏡ガイド下留置(endoscopic(エンドスコピック)-(-)guided(ガイデッド) placement(プレイスメント): EGP(イージーピー))が一般的に採用されており、当院集中治療部ではEGPを用いていました。但し、X線透視法は、重症の集中治療患者ではX線透視室への患者搬送が困難な点や放射線被爆の問題があり、EGPは内視鏡を用いることから、消化管を損傷するなどのリスクがある他、内視鏡装置の準備や内視鏡専門医の必要性などのスタッフや資源の問題があります。
近年、経管栄養チューブ留置を補助する方法として磁気エネルギーを利用し、チューブ位置をリアルタイムに追跡することができ、経管栄養チューブの移動経路と最終的な位置の両方を表示する電磁誘導下留置法(electromagnetic(エレクトロマグネティック)-(-)guided(ガイデッド) placement(プレイスメント): EMGP(エーエムジーピー))が開発され臨床現場に導入されました。EMGPはX線透視法やEGPと異なり、準備が簡便で放射線被爆や内視鏡に伴う合併症のリスクも生じません。EGPと比較してEMGPは留置成功率に差はない一方で、経管栄養開始までの時間を短くすることができ、医療コストも減らすことができると報告されています。しかしながら、そのほとんどは欧米を中心に報告されたもので、欧米人と体格の異なる本邦でEMGPが本当に役に立つかどうかを評価した研究はありません。当院集中治療部では2021年5月よりEMGPを導入しています。我々は、EMGP導入後はそれ以前のEGPよりも経管栄養チューブの幽門後留置までの期間が短くなり、その結果として栄養状態が良くなりICU期間も短くなるのではないかと考えました。この研究の目的はEMGPが従来用いていた方法(EGP)と比べて有用かどうかを評価することです。

研究期間:2024年2月14日 ~ 2025年12月31日

【使用させていただく情報について】


本院におきまして、当院集中治療部で経管栄養チューブの幽門後留置を行われた患者さんの診療記録を使用させていただきます。
なお、本研究に患者さんの診療記録(情報)を使用させていただきますことについては、本学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査・承認され、大分大学医学部長の許可を得て実施しています。また、患者さんの診療情報は、国の定めた「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に従い、特定の個人を識別できないよう加工したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。

【使用させていただく情報の保存等について】


診療情報については論文発表後10年間の保存を基本としており、保存期間終了後は、診療情報については、シュレッダーにて廃棄したり、パソコンなどに保存している電子データは復元できないように完全に削除します。

【外部への試料・情報の提供】


本研究で収集した情報を他の機関へ提供することはありません。

【患者さんの費用負担等について】


本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来医療機器などの開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。

【研究資金】


本研究においては,公的な資金である大分大学医学部麻酔科学講座の基盤研究費を用いて研究が行われます。

【利益相反について】


この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)」は発生しません。

【研究の参加等について】


本研究へ診療情報を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に診療情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの診療情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの診療情報を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、以下の照会先・連絡先までお申し出下さい。

【研究組織】


所属・職名              氏名
研究責任者 大分大学医学部附属病院集中治療部 講師  大地 嘉史
研究分担者 大分大学麻酔科学講座       医員  中島 優志
【お問い合わせについて】

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申し出下さい。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
住 所:〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1
電 話:097-586-5943
担当者:大分大学医学部附属病院 集中治療部 講師
大地 嘉史(おおち よしふみ)