過去9年間の当施設における心臓血管術後の経皮的気管切開(PDT)施行症例の患者転帰に関する検討

大分大学医学部附属病院で心臓血管外科手術後に経皮的気管切開を受けられた患者さん・ご家族の皆様へ

2008年1月から2016年6月までの間に当施設で心臓血管外科術後に経皮的気管切開を受けられた患者さんの診療記録、および検査データを医学研究に使用することについてのお願い

【研究課題名】


過去9年間の当施設における心臓血管術後の経皮的気管切開(PDT)施行症例の患者転帰に関する検討

【研究の目的】


全身麻酔下の心臓血管手術では、気管挿管といって口から気管へ呼吸を維持するのに必要な管(気管挿管チューブ)を挿入し、人工呼吸器による呼吸の補助を行います。通常は手術が終わった後、循環動態が安定して人工呼吸器の補助がいらなくなった時点で気管挿管チューブを抜去します。しかしながら高度に心肺機能が低下した症例や、肺炎、肺障害、脳神経障害などの合併症を発症した場合には、人工呼吸器の補助が長期に必要となり、気管挿管チューブの抜去が困難となることがあります。そのような症例にでは,気管切開といって、頚部の前面から気管に小さな穴をあけて直接気管に短い管(気管切開チューブ)を入れることがあります。それにより口から入っている気管挿管チューブが抜けることで、苦痛の軽減、肺炎合併のリスク軽減、リハビリの促進、人工呼吸器離脱の促進、などの利点が期待されます。方法としては、外科的気管切開術と経皮的気管切開術がありますが、当施設の集中治療部では以前よりベッドサイドで簡便に施行可能な経皮的気管切開術を行なってきました。本研究では,これまで2008年1月から2016年6月の間に、心臓血管外科手術後に経皮的気管切開術を受けられた患者さんの診療記録を見直し、気管切開の利点はどうであったか、合併症や後遺症はなかったか、などを評価して、今後さらに安全性、有効性を高める改善点を明らかにすることを目的としています。

【使用させていただく情報について】


当施設集中治療室で心臓血管外科手術後に、経皮的気管切開を受けられた患者さんの診療記録を、医学研究へ使用させていただきたいと思います。
なお,患者さんの情報を使用させていただきますことは,本学医学部倫理委員会において外部委員も交えて,厳正に審査され承認されています。また,患者さんの情報は,国の定めた「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に従って匿名化したうえで管理しますので,患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら,個人情報保護法などの法律を遵守いたします。

【使用させていただく情報の保存等について】


患者さんの情報(検査データ、カルテから抽出した診療記録)の保存は論文発表後10年間を基本としており、保存期間終了後は、漏洩しないように厳重に匿名化を行った上で、適切に破棄します。ただし研究の進展によってさらなる研究の必要性が生じた場合は10年間を超えて保存させていただきます。

【患者様の費用負担等について】


本研究を実施するにあたり、患者さんの費用負担はありません。

【研究資金】


本研究においては、研究資金を必要としませんが、万一費用が発生した場合は、公的な資金である、大分大学医学部麻酔科学講座の寄付金を用いて研究が行われますので、患者さんの費用負担はありません。

【利益相反】


この研究は、上記の公的な資金を用いて行われ、特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは、研究成果に影響するような利害関係を指し、金銭および個人の関係を含みますが、本研究では「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)」は発生しません。

【研究の参加について】


本研究へ情報(検査データやカルテから抽出した診療記録)を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。もし、本研究に情報を提供、使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせください。その場合は患者さんの情報は研究対象から除外いたします。またご協力いただけなくても、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの情報を使用してほしくない場合、その他本研究に関して質問などありましたら、以下の研究責任者までお申し出ください。
【研究責任者】

〒879-5593
大分県由布市挟間町医大ケ丘1-1
大分大学医学部附属病院麻酔科 医員 金ヶ江 政賢(かながえ まさたか)
電話番号 097-586-5943