心臓手術患者の肺高血圧に対するNO吸入療法の有効性に関する 後方視的検討

本院でNO(一酸化窒素)吸入療法を受けられた患者さん・ご家族の皆様へ

~手術時およびICU(集中治療室)での検査データ、診療情報 (平成27年10月から平成29年9月まで) の医学研究への使用のお願い~

研究課題名


心臓手術患者の肺高血圧に対するNO吸入療法の有効性に関する後方視的検討

【研究の目的について】


吸入用NOはこれまでは新生児の肺高血圧症にのみ適応が認められていましたが, 2015年10月に 「心臓手術の周術期における肺高血圧の改善」 に対する適応が追加され, 新生児から成人に至るまで広く使用することが可能となりました。吸入用NOは肺血管選択作用から体血圧を低下させることなく, 肺高血圧を改善させることができる点で, 他の治療薬よりも優れています。海外ではNO吸入療法が成人心臓手術の周術期における肺高血圧を改善したとの報告が散見されますが, 本邦での成人に対するNO吸入療法の有効性に関する報告はいまだ少なく, より詳細な検討が待たれている状況です。そこで本院手術室およびICUにおいて心臓手術を行われた成人患者さんの中でNO吸入療法を受けられた患者さんにおいて, その施行状況を調査し有効性について検討を行いたいと考えています。
本研究では本院におけるNO吸入療法の施行状況を調べることで, その有効性およびより良いNO吸入療法の施行方法(吸入濃度, 導入基準, 離脱基準など)を明らかにしたいと考えています。またその結果を今後の心臓手術を受けられる患者さんに対して役立てることを目的としています。

【使用させていただく試料等について】


本院におきまして, 既にNO吸入療法を受けられた患者さんの検査データや診療情報を電子カルテ上で参照し, 医学研究へ応用させていただきたいと思います。なお患者さんの検査データや診療情報を使用させていただきますことは本学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査され承認されています。また, 患者さんの検査データおよび診療情報は, 国の定めた「人を対象とする医学系研究に関する倫理指針」に従い, 匿名化したうえで管理しますので, 患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら, 個人情報保護法などの法律を遵守いたします。

【使用させていただく試料の保存等について】


検査データや診療情報の保存は論文発表後10年間を基本としており, 保存期間終了後は, 検査データや診療情報を個人情報が漏れないように完全削除します。また紙資料はシュレッダーにかけて廃棄します。

【患者さんの費用負担等について】


本研究を実施するに当たって, 患者さんの費用負担はありません。また, 本研究の成果が将来薬物などの開発につながり, 利益が生まれる可能性がありますが, 万一, 利益が生まれた場合, 患者さんにはそれを請求することはできません。

【研究資金】


本研究では電子カルテ上で情報を検索し, 統計処理を行うものであるため
研究資金は特別必要としませんが,研究資金が必要となった場合は,大分大学医学部麻酔科学講座の寄付金を使用します。

【利益相反について】


この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)は発生しません。

【研究の参加等について】


本研究へ検査データや診療情報(以下,情報と言います)を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして, 本研究に情報を使用してほしくない場合は, 遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの情報は研究対象から除外いたします。また, ご協力いただけない場合でも, 患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが, 発表後に参加拒否を表明された場合, すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの情報を使用してほしくない場合, その他, 本研究に関して質問などがありましたら, 主治医または以下の研究責任者までお申し出下さい。
【研究責任者】

879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1
大分大学医学部麻酔科学講座 助教 甲斐 真也(かい しんや)
電話番号 097-586-5943