核内タンパク質high mobility group box-1(HMGB1)における重症病態での役割の解明
重度の全身性炎症反応症候群における病態形成において、そのメカニズムは複雑で未だ十分に解明されているとは言い難い。現在までに、そのメカニズムにおいて当教室では核内タンパク質の一つであるHMGB1に注目し、その役割と制御方法について検討を行ってきた。HMGB1はDamage associated molecular pattern molecules (DAMPs)の一つとして注目を集めているタンパク質の一つであり、急性肺傷害や虚血再灌流傷害等の重症臓器傷害において重要であることを、当教室の研究の中で明らかにしている。また更に、抗凝固薬の使用や急性血液浄化療法等にてHMGB1の制御が可能であることを報告している。