緩和ケアチーム介入患者の疼痛管理の現状把握と、骨転移による疼痛に対する神経ブロックの適応の検討

第1版:2023年 3月13日作成

本院の緩和ケアチームで対応させていただいた患者さん・ご家族の皆様へ

~緩和ケアチーム介入時 (2022年1月から2022年12月まで) の医学研究への使用のお願い~


【研究課題名】


緩和ケアチーム介入患者の疼痛管理の現状把握と、骨転移による疼痛に対する神経ブロックの適応の検討

【研究の対象】


 この研究は以下の方を研究対象としています。
2022年1月1日~2022年12月31日に本院の緩和ケアチームが介入した方

【研究の目的・方法について】


 がんの患者さんは痛みを感じる方が多く、痛みに応じて強い痛み止めの薬が必要となることがあります。その場合に医療用麻薬であるオピオイドを使用して鎮痛が行われることがあります。しかし、痛みが強い方ではオピオイド中心の薬物療法のみでは取り切れないことも少なくありません。中でも骨に転移があると強い痛みを感じる場合があり、鎮痛に難渋する方もいます。薬物療法以外の鎮痛として神経ブロックが選択肢に挙がりますが、出血傾向やブロックの刺入経路の転移・感染の存在は禁忌となるため、実施できる場合は限られています。当院でも緩和ケアチームでがん性疼痛の疼痛管理を行っていますが、残念ながら神経ブロックを行おうと思ってもできない状況であることが多く、実際に施行した例はまだまだ少ないです。
本研究では、当院の緩和ケアチームが介入した患者さんの癌の状況、癌治療、痛みの部位と原因、疼痛管理状況を調査します。その中から骨転移のある患者でさらに詳しく鎮痛管理と全身状況を調べ、適応となりえた神経ブロックを検討します。そのブロックが実際に行われなかった場合は、ブロックが禁忌となる因子を調査し、実施に至らなかった理由を検討します。この調査で神経ブロックができない原因の傾向がわかると、その原因を除去や解決するための方策を考えることができ、今後、効果的な神経ブロックが行う機会が増える可能性があります。
 本研究で得た患者さんの診療情報は、個人情報の取り扱いには厳守いたします。

研究期間:(医学部長実施許可日)~2028年3月31日

【使用させていただく情報について】


 本院におきまして、患者さんの診療記録を調べさせていただきます。
情報は病歴、がんの治療歴、がんの痛みに対する治療、血液検査結果、レントゲンやCT、MRIなどの画像検査、緩和ケアチームの診療に関する情報等があります。
なお、本研究に患者さんの診療記録(情報)を使用させていただきますことについては、本学医学部倫理委員会において外部委員も交えて厳正に審査・承認され、大分大学医学部長の許可を得て実施しています。また、患者さんの診療情報は、国の定めた「人を対象とする生命科学・医学系研究に関する倫理指針」に従い、特定の個人を識別できないよう加工したうえで管理しますので、患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら、個人情報保護法などの法律を遵守いたします。

【使用させていただく情報の保存等について】


診療情報については論文発表後10年間の保存を基本としており、保存期間終了後は、癌組織(試料)は焼却処分し、診療情報については、シュレッダーにて廃棄したり、パソコンなどに保存している電子データは復元できないように完全に削除します。ただし、研究の進展によってさらなる研究の必要性が生じた場合はそれぞれの保存期間を超えて保存させていただきます。

【外部への情報の提供】


本研究で収集した試料・情報を他の機関へ提供することはありません。
情報の管理について責任を有する者の氏名又は名称
  大分大学医学部麻酔科学講座  佐々木 美圭

【患者さんの費用負担等について】


本研究を実施するに当たって、患者さんの費用負担はありません。また、本研究の成果が将来の疼痛治療の開発につながり、利益が生まれる可能性がありますが、万一、利益が生まれた場合、患者さんにはそれを請求することはできません。

【研究資金】


 本研究においては,公的な資金である大分大学医学部麻酔科講座の寄付金を用いて研究が行われます。

【利益相(りえきそう)反(はん)について】


 この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)」は発生しません。

【研究の参加等について】


本研究へ診療情報を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に診療情報を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの診療情報は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの診療情報を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の照会先・連絡先までお申し出下さい。

【研究組織】


         所属・職名          氏名
研究責任者 大分大学医学部麻酔科学講座 助教  佐々木 美圭
研究分担者 大分大学医学部附属病院麻酔科 講師 奥田 健太郎
       大分大学医学部附属病院手術部 助教 山本 俊介
【お問い合わせについて】

本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申し出下さい。

照会先および研究への利用を拒否する場合の連絡先:
住 所:〒879-5593 大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1
  電 話:097-586-5943
 担当者:大分大学医学部麻酔科学講座 助教 佐々木 美圭(ささき みか)

2023.5.9修正