FloTracとClearSightシステムにおける心拍出量測定の互換性評価
本院で腹部大動脈瘤に対する人工血管置換術を受けられた患者さん・ご家族の皆様へ
~手術時 (平成27年12月から平成28年7月まで) の麻酔記録およびモニター記録を医学研究に使用することについてのお願い~
【研究課題名】
FloTracとClearSightシステムにおける心拍出量測定の互換性評価
【研究の目的について】
近年、麻酔管理において心拍出量、一回拍出量変化を指標として輸液を行うこと(目標指向型輸液療法)で術後の予後が改善することが示され、推奨されています。しかしながら、心拍出量、一回拍出量変化を得るには動脈に動脈圧ラインの挿入するといった侵襲的(患者さんの身体に傷をつける)なモニタリングが必要となり、広く普及するには至っていません。
2015年に臨床使用可能となったClearSightシステムは、動脈圧ラインを挿入しなくてもフィンガーカフを用いることによりこれらの値を非侵襲的に得ることができます。しかしながら、これまでの侵襲的なモニタリングで使用してきたFloTracシステムから得られる値との互換性については未だ明らかにされていません。
本研究の結果から互換性が示されれば、動脈圧ラインを挿入しない手術においてもClearSightシステムを用いることで目標指向型輸液療法の適用拡大につながり、術後の予後のさらなる改善が期待されます。
【使用させていただく情報(試料)等について】
本院においてFloTracおよびCleaSightシステムによる血行動態モニタリング下に腹部大動脈人工血管置換術を施行された患者さんの試料(麻酔記録、モニター記録)を医学研究へ応用させていただきたいと思います。
なお,患者さんの試料を使用させていただきますことは,本学医学部倫理委員会において外部委員も交えて,厳正に審査され承認されて行います。また,患者さんの試料は,国の定めた「臨床研究に関する倫理指針」に従って匿名化したうえで管理しますので,患者さんのプライバシーは厳密に守られます。当然のことながら,個人情報保護法などの法律を遵守いたします。
【使用させていただく組織(試料)の保存等について】
患者さんの試料(麻酔記録、モニター記録)の保存は研究終了後1年間を基本としており、研究終了後は、漏洩しないように厳重に匿名化を行った上で、適切に廃棄します。ただし、研究の進展によってさらなる研究の必要性が生じた場合は1年間を超えて保存させていただきます。
【患者さんの費用負担等について】
本研究を実施するにあたり,患者さんの費用負担はありません。
【研究資金】
本研究においては,研究資金を必要としませんが、万一起こり得る場合は公的な資金である麻酔科学講座の寄付金を用いて研究が行われ,患者さんの費用負担はありません。
【利益相反について】
この研究は,上記の公的な資金を用いて行われ,特定の企業からの資金は一切用いません。「利益相反」とは,研究成果に影響するような利害関係を指し,金銭および個人の関係を含みますが,本研究ではこの「利益相反(資金提供者の意向が研究に影響すること)は発生しません。
【研究の参加等について】
本研究へ試料(麻酔記録、モニター記録)を提供するかしないかは患者さんご自身の自由です。従いまして、本研究に試料を使用してほしくない場合は、遠慮なくお知らせ下さい。その場合は、患者さんの試料は研究対象から除外いたします。また、ご協力いただけない場合でも、患者さんの不利益になることは一切ありません。なお、これらの研究成果は学術論文として発表することになりますが、発表後に参加拒否を表明された場合、すでに発表した論文を取り下げることはいたしません。
患者さんの試料を使用してほしくない場合、その他、本研究に関して質問などがありましたら、主治医または以下の研究責任者までお申し出下さい。
【研究責任者】
〒879-5593
大分県由布市挾間町医大ヶ丘1-1
大分大学医学部麻酔科学講座 医員 田中千尋
電話番号 097-586-5943